レッドヘッドというカラーから考えるエギのカラー(夜)

2009年11月23日 14:21

こんにちは。

昨日は雨の予報でしたが、烏賊人パーリーは無事開催できて良かったですね
僕は都合により行けませんでしたが、参加された皆さまお疲れ様でした。



さて、今回はエギのカラーに関して書いてみます。
去年も同様のことを書いていて、基本的な考え方は変わってませんが、
(先に去年の記事から読んで貰ったほうが良いかも)

ちょっと違う面からも例えて書いてみます。

因みに僕は基本的に夜しかエギングやらないんで、ナイトエギングを前提に書きます。

色に関しては考え方も人それぞれなんで、あくまで参考程度に


みなさん、エギングをやる人の中にはルアーもやる方が多いと思いますが、
シーバスルアーで定番色になっているレッドヘッド、って言うカラーは一度は見たことはありますよね?
沖縄には基本シーバスが居ないのもあり、あんまりレッドヘッドのカラーが売ってないですが、
これは昔からシーバスでは定番色で特に夜や昼でも濁りのきつい時などに有効とされているカラーです。

因みにルアーやらなくて分からないと言う人の為に...



このような頭部分が赤でその後ろは白、パールホワイト、ホログラムなどのカラーです。


どうしてレッドヘッドが釣れるのか?という問いには幾つかの考えがありますが、
僕が考える理由としては、「コントラスト、シルエットがハッキリして魚から良く見えているから」
だと考えています。

夜間に赤と言う色は非常に見難い、むしろ魚からはほぼ色は見えないだろうと思います。
じゃあどうしてよく見えるかというと、先に言った「コントラストがハッキリするから」です。

レッドヘッドが釣れる理由の一つに、「赤色が捕食する小魚のエラに見えている」という考えがありますが、
これは厳しいと思います。夜間は赤という色が水中で赤に見えるか?僕には疑問です。

ましてや魚の色覚が人間と同じと言うわけではないでしょうし、
昼間より夜間にレッドヘッドが有効と言う理由には当てはまらないと思います。
もしこの説が正しければ、夜間より昼間の方が釣れるカラーな筈です。
昼間でもレッドヘッドは釣れますが、あくまで夜の方が定番色とされています。
赤色部分がエラに見えて...って理屈は、
作り手と釣り人の希望で、こじつけてそう言っているだけなんじゃないかと感じます。


他の説では、レッドヘッドのヘッド部分が夜は魚から見えなくて、
白の部分だけが見えてシルエットが小さく見えているから
、と言う説。

これは全く同意できないですね。
夜間の水中では赤は赤としては見えないでしょうが、
魚からはむしろ水中で一番シルエットがハッキリする、黒として見えている筈です。
それに加えて、シルエットが小さく見えるから釣れるという単純な考え方は、
果たして釣れる理由になりえるでしょうか?


シーバスは基本的に烏賊と同じで夜行性の魚です。
昼間は烏賊同様に活性があまり高くないので、リアクションを利用した釣りが一般的ですが、
夜はシンキングペンシルやミノーをタダ巻きで釣る事が出来ます。
この辺も烏賊釣りにおける曳き釣りとエギングの関係と全く同じ事だと思います。

で、シーバスも基本的に捕食メインで活性の高い状態は夜なので、
よりルアーの存在を見つけてもらうことが釣る為に一番重要な点だと思います。
このことから、レッドヘッドと言うカラーが夜間に有効とされるのは、
夜は魚から見て水中で目立っていると考えるのが、
他の説よりはまだ無難じゃないかと思うんですよね。


そこで、この考えをエギングに当てはめてみます。
エギングにおいて、夜間の定番色は皆さんご存知の通り「赤テープ」ですよね?

どうして赤なのか?
これもさっきと同じで、夜間赤は水中で色の識別は困難ですが、
シルエットがハッキリする、つまり目立つんです。

シーバスと烏賊は違うだろ!という人もいるかと思いますが、
レッドヘッドの赤部分が魚から見えない、
という説は烏賊で考えると全くズレているということの証明
になります。
僕は基本的に夜行性の魚で共通点が多いと思いますし、
色の考え方も基本的に同じだろうと考えています。


エギの定番色のピンクやオレンジと言うカラー(上布)は、
昼間に人間から見て視認性が良い、濁り潮で目立つ、と言う理由で採用されているカラーですが、
夜はそもそも光量が少なく人間からは殆ど見えないので、それほどメリットがあるとは思いません。
むしろコントラストが付いた方が烏賊からは見やすいのではと思い、
前回の記事でも触れていますが、市販のエギでも躊躇無くスプレーで黒や赤といった暗いカラーに塗っちゃいます。

実際、「白黒のエギ」というのは物凄く目立ちます。
まさにコントラストの最たるものです。
アオリ烏賊は色をコントラストでしか見えてない、という研究が正しければ、
これほど目立つ色は他に無いでしょう。
キーストンのホームページに、真っ白のエギと真っ黒のエギのことが書かれていますが、
これは漁具としてのエギを昔から作っている老舗メーカーならではの、実に的を得た考えだと共感します。


前回の記事の中でも触れていますが、僕がナイトエギングで使う色は、
なるべく色のコントラストが付くもの(下地は派手で背中は赤に関わらず暗い色)を選んでいます。
これは先ほどのシーバスにおけるレッドヘッドの理由と同じです。

定番の夜カラーでよくあるのが、赤テープに上布も赤系のもの。
先ほどのシルエットが一番ハッキリすると言う考え方からすると、良く釣れるはずですが、
これは結構自分でも試してみましたが、何故かイマイチ
釣れなくも無いけど...効果を実感すると言うまででもありません。
むしろ下地は明るめの方が良い結果が出ています。

どうしてなのか、その理由を考えてみました。
理由は、本土に比べて沖縄のエギングポイントの多くが比較的水深が浅い、
と言うことに関係しているのではないかと思っています。

多くのポイントで水深は10m以下ですし、大抵真っ暗闇ということはなく、
ある程度どこかしら遠くの外灯や月明かりは水中に届いている場所が多いんです。
僕のやる場所が大体そういう場所だってこともありますが...。


夜間のシーバス狙いは基本的に水深の深い棚を狙うと言うよりは、
表層に近いところから通すのがセオリー。
ということは、多少光が届いている沖縄のエギングポイントと同様と考えることができるし、
ましてやアオリ烏賊の目は少しの光でもモノが見える構造になっているので
(体の大きさと目の大きさのバランスを考えると恐らくシーバスより目は良いのでは?)、
真っ赤(真っ黒)よりもレッドヘッドのようにコントラストが付いて、
光を反射する方がいい結果が出るのでは?
と考えています。

それに加えて闇夜と満月、両方万能的に有効なのは、
真っ黒よりはコントラストの付くカラーの方が良いかなと。
これはあくまで仮説ですけどね。

ちなみに今のようなエギができる前の昔のエギは、
木を火で炙って焼きを入れた、コントラストのみの模様のものが、
薩摩地方、沖縄の離島を含む各地にも多くあります。
充分それで釣れるって事なんですよね。

本土の定番が赤テープの赤もしくは暗いカラーバック、というのは、
沖縄より水深があるポイントが多く、それだけ光も届きにくいからと言うことなんじゃないかと思います。
その方がよりシルエットがハッキリして効果があるでしょうから。
言うまでも無く月明かりや外灯が明るければ、明るい下地を選んだほうが良いかと思いますが。


ぶっちゃけコントラストがそれほど付かなくてシルエットが目立たなくても、烏賊の目は優れているので、
どんな色のものでも烏賊がエギを見つければ釣れるとは思いますが(特に満月や光量があれば)、
僕の考えでは、より烏賊が見付けやすく目立つ方がいいかなと思ってます。
基本的に活性は高いですし。

自作のエギも、なるべく背中の色は濃い色もしくは暗い色、
腹側は白をメインに明るい色、光の反射がある色を選んでいます。
ちなみに、昨シーズンは赤バックのマーブルテープ、
赤バックのホロテープで結構良い思いさせてもらいました。

まぁ、実際のところどの色でも釣れるし、自分の気に入った色で釣れればそれで良いはと思いますけどね。
とりあえず夜間は光量がどの程度か、って事がキーになるかなと。



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-追記-

勝手にリンクしてますが、「薩摩烏賊餌木考」という古書のなかに紹介されている餌木が、
画像で載せられてます。

http://heymanbow.exblog.jp/10447090/

レッドヘッドと言うカラーはもしかしたら昔の餌木をヒントに作られたのでは?
と思えるくらい頭部分が焼かれた餌木が多いですね(笑)

ていうか、僕の作るエギより昔の人のほうが比べ物にならんくらい、
複雑なデザインの餌木を作ってるのには驚きです




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