自分はシーバス釣行の際に10ステラの3000HGを主に使っているんですが、
(今の3000HGとは違ってボディ、ローター共に4000番サイズ)
シマノのHPを見てみると、いよいよ
10ステラのパーツ供給も今年から終了予定とのこと…
年中シーバスばかりやってるわけではないので、使用頻度としてはさほど多くなく、
まだ暫くは使い続けようと思っているので、
先日今後必要となってくるであろうパーツの方を幾つか取り寄せました。
(
※パーツ供給不能とHPに出ているモデルでも、メーカーに在庫があれば取り寄せは出来ますが、
いつ無くなっても文句は言えないので、早い目に買っといた方がいいです。
それと後発の12ヴァンキッシュに流用されてるパーツに関しては、
まだ暫く部品は無くならないと思います)
個人的にAR-Cスプールが登場してからのリールに関しては、
ライントラブルなども殆どなくなり、通常使用に於いては多少古くなったとしても、
全く問題なく使い続けられる基本性能が充分にあると思います。
現在出ているものはボディのバランスや精度の向上、ギヤの大径化や防水性の向上で、
性能としてはより良くなっているのは間違いないですが。
前置きが長くなりましたが、今回まずこの記事を書こうと思ったのは、
10ステラのパーツ供給がもうじき終わること、
(パーツは在庫あれば出してもらえますが、
修理受け付けは基本できなくなります)
もう一台よく使っている改造09ツインパワーMGのパーツ供給が以前に終了して、
予め注文しておいたパーツが役に立ったから。
あと、ライトゲームで使っている12ヴァンキッシュC2000Sが数日前に突然死したから。
(これに関しては後述)
で、結論から言うと、まず実際に注文しておいて良かったなと思ったのが、
スプール軸(メインシャフト)です。
画像では少し判りにくいんですが
シャフトのネジ部分が削れてしまって、ドラグノブを締め込んでいっても空回ってバカになっています。
前回の釣行前に違うスプールに交換しているときに幸い気づいたから良かったですが…
現場で気づいていれば即終了となっていたことでしょう。。
この症状は徐々に進行していきますが、普段はあまり気に留めてないことが多いので、
ある日突然空回るようになります
個人的にシマノのスピニングリールで、
メインシャフトにアルミ系の軽量な合金素材を採用しているものは、
耐久性に難があると思っています。
一つのリールを使っていくつかの釣りにスプールを使いまわすような使い方をされている方は、
よりスプールの付け外しも多くなると思うので、
およそ5年も使えばかなり摩耗していると考えられますし、いつ突然死してもおかしく有りません
ネット上でもあまり情報が無いので普段全く気にされていない方もいるかもしれませんが、
試しにメインシャフトのネジ部分をティッシュなどで拭いてみてください。
黒くなったり銀色の汚れが付着して来ると思います。
それは紛れも無くスプール軸もしくはドラグノブ内のナットが摩耗している証拠です。
こちらのナット側もアルミ系の軽量合金のため、スプール軸が削れてないと思っても、
こちら側が削れていて突然死する場合があります。
ドラグノブの内部なんて普段あまり分解してみることは少ないと思われるので、
メインシャフトより此方の方が厄介かも知れませんね
軽量化のために軽い金属を使うのは効果的で理解できますが、
(2500番サイズだとスプール軸単体で最低でも5g以上は確実に軽くなる)
この細かくて浅い溝は使用に伴いどんどん削れてきます。
絶えず力が掛かる部分なのに、
これだけ細かいネジピッチでスプールをドラグノブで押さえ付けてるんですから。。
しかもドラグっていうのは対象魚が同じなら、大体毎回同じくらいの所で設定するもんですから、
満遍なく摩耗しなくても、一部分だけ摩耗しても空回りしてドラグが締まらなくなります。
本来このスプール軸&ドラグノブ内のナットに関しては、多少重量が重くなりますが、
素材を硬度なステンレス製のものにするか、
ネジのピッチや段差をもう少し大きくするなど耐久性を上げる対策を講じるべきだと思います。
この点、
ダイワはよく解っていて軽量化よりも耐久性を重視し、
上位機種のセルテートなんかでもメインシャフトにはステンレス素材のものを使っており、
(因みに18イグジストはアルミで、セルテートの方が耐久性があるとメーカーも認めてます)
かつネジピッチの大きさ、段差もシマノのシャフトより大きくなっています。
(シャフト径自体は細かったりしますが)
シマノの場合、逆に1万以下の比較的安いモデルにはステンレス素材のものを使っていますが、
中級機種からステラまでは、ほぼ軽量な合金素材を使用しています。
(SWやジギング用途など、より耐久性が問われる機種は除く)
自分でメンテナンスが出来なくて、メーカーにオーバーホールに出している人で、
パーツ供給終了になってこの症状が出れば、実質そのリールは一発で終了ですよね!?
自分でメンテナンスできる人でも全く関係ない話じゃ有りません。
14ステラ以降、シマノのスピニングリールはGフリーボディが採用されていますが、
この構造になってから、メインシャフトはシャフトだけじゃなく、
ウォームシャフトピンが入る摺動子が一体になっての販売となったので、
価格が大幅に高くなってるんですよね
今回は以前にパーツ供給が終了する前に注文して保管しておいたので、
すぐに交換できて良かったです。
で、09ツインパMG改のスプール軸を交換してから、
つい最近ライトゲームで使ってる12ヴァンキッシュも同様の症状(ドラグノブ空回り)で死亡
こちらのリールはスプール軸はそんなに摩耗してる実感はなかったんですが
(上が新品で下がこれまで使っていたもの 大きな摩耗は見られませんが…)
新品のスプール軸に交換しても症状が治らないので、もしやと思って見てみると
ドラグノブ内のナット上部(赤線部分)が摩耗してナメっていました
この記事を見てお持ちのリールのスプール軸またはドラグノブ内のナットに摩耗が見られた方は、
(特にパーツ供給不能になった08ツインパ系やCI4系など)
すぐにでも注文しといた方が良いと思いますが、現時点で在庫あるかは自分には判りません。。
ほんと釣行前日に症状が発症したりすれば、
予備リール無かったらプラン変更も余儀なくされる恐れもありますからね。。
で、シマノは殆どのリールのパーツを注文できるのがいいところなんですが、
何故かドラグノブは一式セットでノブを注文しないとダメっていうのが意味不明
ステラなんかだと1万前後しますよ…こんなナット一つ替えたいだけなのに。。
なので、流用できる安いリールのドラグノブを調べて注文するしか無いってのが非常に困りもの。
ホームセンターなんかで流用できそうなナットが無いか調べたんですが、
今回1000番サイズの軸に合う、M4のナットでピッチがたぶん0.6か0.5くらいのものって殆ど無くて、
大体0.7以上ばかりなので見つかりません…
本当にシマノはこのドラグノブ内のナットを強度のあるステンレスにするか、
ピッチを大きくする、もしくはドラグノブ内のパーツを単体で注文できるようにするべきだと思います。
(ドラグノブ内のバネが折れて音が出ない症状なんかも、バネ一つ換えれば良いだけなのに、
実質ドラグノブごと注文しないとダメっていうのは殆どボッタクリじゃないかと)
で、続いてスプール軸関連以外のところだと…
以前10ステラのギヤが死んだという記事を書いたことが有りますが、
ギヤは使い続けることで歯面が摩耗して、巻き心地がゴロって来て悪くなってはきますが、
使用できないわけじゃないんです。
というか歯面自体は耐久性は結構あるんですけど、
問題なのは10ステラのギヤが死んだ記事にも書いていますが、
ねじ込みハンドルの入るドライブギヤのネジピッチ部分が摩耗すること
先に挙げたスプール軸とも共通する部分でも有ります。
左ハンドルで使ってよくハンドルを付け外ししている人は、このネジピッチ部分が摩耗して、
(左ハンドルの方がネジピッチが細かい部分でギヤとハンドルを固定する構造になっている)
スプール軸ほどの頻度じゃないですが、バカになって突然死する可能性があります。
(因みに自分は過去の経験から、なるべく普段ハンドルは付け外ししないようにしてるのと、
あまり強い力でねじ込まないように注意しています)
ハンドル側の雄ネジ部分はステンレスで硬い素材なのに、ギヤ側がアルミ合金なので、
柔らかいアルミ(ドライブギヤ)の方ばかりが削れてしまうんです。
これもハンドル外した際に拭いてみれば、摩耗して削れた汚れが付着してくるのが判ると思います。
右ハンドルで使う場合はネジピッチが大きいので、左ハンドルで使うよりも耐久性はあるとは思いますが、
構造的に左ハンドル側でも右ハンドルと同じくらいのネジピッチにするべきではないでしょうか
。
この点もダイワのリールと比較してみると、
ダイワリールの方がよく考えられているなと思います。
ダイワのねじ込みハンドルタイプのリールは、シマノのようなドライブギヤがアルミ一体型ではなく、
ねじ込み部分は別素材(恐らくステンレス製)で構成されてるんです。
(全てのリールがそうなってるかは確認できてません)
しかもシマノとは逆でハンドル側がメスで径が大きくピッチも広いので、
ネジ部分の摩耗に対する耐久性はシマノより確実に優れていると考えられます。
残念ながら手持ちにダイワのねじ込みハンドル型のリールが無いので画像は載せれないんですが、
お持ちであれば一度見てみると良いと思います。
シマノはギヤの大径肉厚化をすることで耐久性アップと謳っていますが、
細かいネジピッチをどうにかするべきだと思うんですがね。
その他のスピニングリールの消耗部分としてよくあるのが、
ベールアームを固定している部分のローターですね。
画像で説明すると…
赤い矢印はベールをローターに固定するためのネジ部分で、
この部分もやはり次第に摩耗してきます。
それと同時に青矢印のベールとアームが接触する部分も削れてきます。
(実際はネジ穴が摩耗してくるにつれて、青矢印の部分は隙間が開いて、
より下側の部分が接触が強くなり摩耗してきます)
その結果ベールの返りが軽い力で返らなかったり、
樹脂がこすれるフィーリングがどんどん強くなり、
酷くなってくると最後にはネジが完全に舐めてグスグスになって脱落しかねません。
(ダイワの場合ネジ部分に被るようにカバーが付いてるので脱落防止になってるのかなと思います)
このベール可動部分が接触する部分&ネジ穴の摩耗は、シマノ、ダイワ問わず、
スピニングリールの宿命的な構造上の弱点と言えるでしょう。
ベールはネジを固定する方向とは逆に外側に開こうとする力が常に働いていて、
これを無理やりネジで押さえつけるような構造になっているのと、
そもそも金属の硬いネジで柔らかい樹脂やカーボン樹脂に直接ねじ込んでいるのに、
その土台が絶えずベールを返したり戻したりで動くんですから、
摩耗しない方がおかしいんですよね。。
このベールを固定しているネジが最初はネジがきちんと奥まで締まっていたのが、
ある程度使っていると、締め込んでも少しだけネジが緩んで止まる状態になります。
こうなると黄色信号で、既にベールの返りも新品時より渋くなってきているはずです。
一度お持ちのリールの
ネジが緩んできていないか、
ベールとローターとの隙間が開いていないか、
ベールの戻りが渋くなってきてないか、チェックしてみた方がいいでしょう。
ダイワの場合はベールが下がってきてないかもチェック項目ですね。
シマノはローター構造の見直しで従来より変形量が少なく強度が上がった、と言ってますけど、
先のギアの件と同様、このネジ受けの部分を見直すべきじゃないでしょうか。
本来はこの部分のネジの受け側だけ樹脂ではなく、
金属の別パーツで作れば耐久性が上がるはずなんですけどね。。
(ダイワはザイオンボディのリールの場合、本体を接合するナット部分は金属を埋め込んでいるので、
これをベール固定部分に採用すれば摩耗はかなり防げる可能性があると思う)
その証拠に手持ちの10ステラは、このベール周辺の摩耗は今のところ殆ど無く、
新品時と殆ど変わりない摩擦を殆ど感じないスムーズなベール返りのフィーリングが維持できています。
自分が一番ステラを気に入ってる点はもしかしたらこの
ローターが金属だという点かもしれません。
シマノはステラの金属ローターとその他の樹脂製のローターとの強度差を明らかにしていませんけど、
やはり実感として金属ローターは殆どたわみを感じなくて強度はもちろん質感にも優れているので、
新しいリールが出てもステラだけは使い続けたいと思わせてくれます。
(※1月14日に公開された情報で、ツインパワーについに金属ローターが搭載とのこと。
ロングストロークスプールに続いて金属ローターにまでステラの領域に入って来るとは驚)
で、ステラ以外のリールを使ってて、ベール取り付け部分のローターのネジ穴がバカになった場合、
新しいローターに替えないとダメなのかというと、ここはある程度自分でどうにかすることが出来ます。
過去に自分はヤワヤワの09ツインパMGのCI4ローターのローターネジ穴がバカになった際、
100均のアクリルパウダー&リキッドでネジ穴を復活させたことがあるので。
(過去記事参照)
他にもエポキシパテとかでもできるかもしれませんが、やってないので何とも。。
ただ、先の2点、スプール軸&ドラグノブ内ナットとドライブギヤに関しては、自分で治すのは困難
自分で溶接してネジピッチを切り直したりとか出来るなら話は別ですが…
まぁ個人でやるにはかなり難しいんじゃないでしょうかね。
この他にも気づきやすい点としては、ラインローラーなど各ベアリング、
クラッチ逆転とかスプールリングの傷など色々あると思いますが、
長くなったので、今回はこれくらいにしとこうと思います。
いずれにしても、
自分みたいにシマノのスピニングリールを部品供給不能扱いになってからも使い続けたいという場合は、
メーカーが修理受付をしない以上、やはり自分でパーツ交換、
分解メンテが出来るに越したことはないかも知れません。
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