2025年04月06日
河川シーバスで一つだけしか選べないなら、この神ルアーを選ぶ
普段は釣行記メインの当ブログでは、
使用しているタックルやルアーなどにもその中で軽く触れていますが、
たまにはルアー単体での記事も書いてみようかと。
厳寒期からのシーバス釣行が一段落したので、
取り敢えず自分が一番シーバスを釣って信頼しているルアーから。
近年人気優先で出たばかりで大した実績も無いのに手に入らない、
といったこともよくあるシーバスルアー界隈。
そんななか、いつでも買えて中古でも手に入れやすい、
本当にこれは凄いと思えるルアーを紹介します。
勿体ぶらずに最初から書きます。



主に河川(中規模、大規模)でのナイトゲームで、
自分が最強のシーバスルアーだと思っているのが、ダイワのスイッチヒッター105(S、F)です。
(赤目が105S、105Fは廃番でレーザーインパクト番が復刻されてますが、
今のところあまり良い印象は無く、敢えてお勧めはしません
後述)

これまでにも当ブログを読まれている方にはまたかよ、と思われるかもしれませんが…
個人的にこのルアーは常々シーバスルアー界隈で過小評価されていると感じており、
ブログを見てない人以外に、
興味を持って検索してくれた人に向けてインプレ記事を残しておこうと思います。
一匹の価値が大きい、シーバスの魚影が濃くないと言われる大阪ですが、
(実際バチ抜けと明暗の釣り以外のオープンエリアではかなり難しいと思いますが、
これまでの釣果の100%がオープンエリアでのものです)
これまでこのルアーに何度助けられてきたか分かりません。
何故このルアーがそこまで凄いのか、釣れる理由や使い方、注意点を以下に書いていきます。
①圧倒的な飛距離
メーカー公表の飛距離でも平均で70mオーバーというようによく飛びます。
MAX飛距離はまぁ少し盛ってるかも、と思えなくも無い数字ですが、
誰が投げても飛ばない、と感じることはないでしょう。
遠投が不可欠な大河川や河口域などでは、この飛距離は本当にアドバンテージになります。
②スローフォール、
もしくはフローティングで根掛かりも少ない
飛距離の出るシンペン(フローティングも)は色々ありますが、
基本的に飛距離の出るものは高比重の為沈むのが早く、
流れの緩い河川などではデッドスローでドリフトさせられるようなものが少ない。
もしくは、できても頭上がりだったり水平姿勢を保てない事が多い。
このルアーはやや太めの形状で余浮力があり、
ウェイトを必要以上に重くしなくても重心移動と飛行姿勢のお陰で飛距離を稼げているので、
そこまで高比重ではないんですね。
そして、根掛かりが少ないのでボトム付近をを舐めるような使い方も可能になります。
(105S)
このルアーはボトムに着いた状態で、汽水域ならボディが横に倒れず、
少しでもテンションが掛かると浮こうとするので、
ボトム付近のドリフトでもズリズリと擦ってしまうことが殆どありません。
③アクションと姿勢、立ち上がりの秀逸さ
何と言ってもワイドなS字アクションが特徴的ですが、
(他のスイッチヒッターシリーズとは異なるので注意)
流れの強弱によってこのS字幅が不規則に変化します。
規則的なS字アクションはよくありますが、
この不規則なワイドS字アクション(たまにスライドするような動き)
がシーバスのスイッチを入れバイトに繋がります。
このルアーは通常のシンペンとは異なり、
ミノーのように頭の部分がリップの役割を果たし水を受けるので頭上がりの姿勢にならず、
ほぼ水平姿勢を保ったままアクションしてくれます。
リップのないペンシルで重心移動が入っているルアーの場合、
どうしても立ち上がりが気になりますが、
このルアーはバネが入っているので殆ど勝手に戻ります。
ただし、どアップか流れが死んでるベタ凪時や軽く投げた時は、
ごく稀ですが重心が戻らないことがあるので、
軽くアクション入れて重心を戻す作業やった方が安心です。
(特に105Fの場合)
④使い方と105S、105Fの使い分け
基本的に流れの出てる時に食わせの不規則なS字アクションが発動するので、
河川では下げ潮でのドリフトメインで使うのが基本だと思います。
上げの逆流が効く場合でも使えると思いますが、
活性の高い回遊個体が差してきている場合が多く、寄せて喰わせたいので、
ミノーを優先的に使う関係上自分はあまり上げでは使ってません。
このルアーはアクションの質が喰わせに特化しているためです。
ただ、飛距離がかなり出るので、寄せる力が無くても、
シーバスが発見しさえすれば追尾してきた魚が流れの変化に入った瞬間の、
不規則なアクションの変化によって見切られずヒットする可能性はあるので、
難しく考えずただ巻きで使ってみるのもありだと思います。
105Sの場合、流れが早く水深もある所ならアップからダウンまで使えますが、
基本クロス~ダウン側の流れの筋に入ったところでバイトが出ることが殆どです。
ラインを張りすぎず流れに当てて馴染ませる感じでドリフトさせているとバイトが出るので、
極力リールは糸ふけが出過ぎないように巻き取るだけのイメージです。
ロッドは立て気味で操作してやるとボトムを取りすぎることも無く、
任意のレンジで少しでもテンションが掛かると殆ど巻かなくてもレンジが下がっていきません。
ミノーでは暴れて食ってこないどダウンでも、
不規則にS字を書いて誘い続けてくれるのが強みです。
105Fはフローティングなので105Sよりも、よりアップに投げることが多く、
105Sほどダウン側にドリフトさせずクロスを過ぎたら程々で回収する感じで、
ほぼミノーを使ってる感覚と同じように使えると思います。
因みにアクションは同じ流速の場合105Sの方がS字幅が大きくなるので、
流れがかなり緩い場合は105Sの方がドリフトでは使いやすいと思います。
105Fは105Sでもボトムを取りすぎてしまうような干潟やドシャローなポイントでも使えますし、
シーバスが上のレンジを意識しているときにも105Fを使うことが多いです。
フックサイズを調整することでサスペンドにすることもできたり、
アクションを入れて水中でのパニックアクション的な動きも出せます。
105Sと105Fどっちか一つしか選べないなら105Sを選びますが、
105Fも自分には欠かせないルアーです。
⑤注意点
このルアーの唯一の懸念点というか不満があるとすれば、フックサイズです。
#4が2つ付いてはいますが、ボディがファットな形状の為、
バイトがあってもフッキングに至らないと感じることがたまにあります。
ショートバイトの原因は流し方やカラー、
ルアーサイズなど他の要素も絡むので一概には言えないところですが…
これを改善するには単純にフックサイズを上げればいい、と思うかもしれませんが、
そうするとバランスが崩れてS字の動きが出にくくなります。
105Fの場合前後♯3にすると、よりS字が出にくくなりシンキングになってしまいます

(前だけ♯3にするってのは結構アリ)
流れが早く水深もあるような所の場合は良いかも知れませんが、
このルアーの最大の強みは流れの緩い河川、
流れの緩い時間帯でも、
デッドスローでのドリフトができるという点
なので、ぶっちゃけ流れが早く水深もある所ならこのルアーを使わなくても良いかなと思います。
で、自分が試した中ではフックを#4のまま、
細軸を使うか、なるべく鋭いフックを使うのが、
アクションを殺さずフッキングを向上させるには良いと思います。
具体的にはマルト(土肥富)の1094丸型が細軸ですが強度と貫通力に優れており、
(フッ素加工もされている)
このルアーには相性が良いと思って好んで使っていますが、
(ドラグ調整次第ですが多少曲げられることはあっても延ばされることはない)
オーナーのSTX-45ZNも良かったですし、
がまかつのRB-MHかMでもいいと思います。
で、最初に復刻されたレーザーインパクトの105Fをあまりお勧めしない、
と書いたのはこのフックの件が理由です。
レーザーインパクトはボディ内部に凸凹を作ることで乱反射を生む構造ですが、
これが結果的にボディの重量増になっており、
アクションレスポンスが悪くなっていることを補うために、内臓ウェイトを軽くしたり、
フックサイズが#6に下げられています

(#6でも淡水では殆どサスペンド~スローシンキングです)
さすがにこれではノーマルの#4でもフッキングに懸念があるのに、
アンバランスではないかと思われます。
で、フックサイズを#5や#4に上げてみると見事に沈んでしまいます

レーザーインパクトの効果が、
アクションレスポンスやフッキング率低下の懸念を上回る効果があるとは思えないので、
ここだけの話105Fが欲しいなら、廃番のものを手に入れる方が良いかもしれません。
(中古市場で以前高騰していましたが、レーザーインパクト復刻番が出たことで下がってきている)
ダイワ自身がこのルアーの事を過小評価しているのか

ノーマルの105Fを復刻すればいいだけの事なんですがね。
⑥他社のS字形シンペンとの比較
S字形シンペン(フローティング含む)は他社からも色々出ていて、
どれも良いルアーだなと思いますが、
今のところこのスイッチヒッター105S&Fが、
自分にとっての使い勝手や入手性、価格等をトータルで見てベストだと思ってます。
近いルアーにアイマのソマリ90がありますが、
飛距離がやや劣りますし、デッドスローでのS字幅がかなり小さくなります。
流れの中でのワイドS字の幅もスイッチヒッターの方に分があります。
それとこれは使い手とポイント次第なところではありますが、
スローシンキングではあるものの、良くも悪くもレンジキープ力があるので、
シャローで一度ボトムまで沈んでしまうと底を擦ってしまうので、
ラインを少し張るだけで、ボトムからギリギリ浮かせられるスイッチヒッターよりも、
デッドスローでのボトムドリフトでは使い勝手が今一つに感じます。
他にはソマリに近いS字系で人気のポジドライブガレージのジグザグベイト
スイッチヒッターでのS字アクションは85SLVと105のみですが、
(因みに85SLVは余浮力が105ほど無いので、
流れの緩い所では105の方がドリフトで使いやすいし飛距離も落ちる)
60~120までサイズ展開されているのが強み。
スイッチヒッターも以前モンスターヒッターという大型のものがありましたが既に廃番…
デッドスロー時でのS字幅はスイッチヒッターよりも小さい印象で、
性能面ではソマリ90とかなり近いルアーだと思います。
不規則なS字系アクションで人気のブルーブルーのスネコン
アクションは非常に秀逸だと思いますが、
こちらは飛距離の点で比べるとスイッチヒッターとは大きな差があります。
ただ、頭下がりのフォール姿勢でボトムに着いた状態では、
ボトムに立ってフックが浮く姿勢になるので、
ボトム周辺をドリフトさせても根掛かりはし辛く、
魚に届く範囲なら釣獲力は高いルアーだと思います。
スイッチヒッターはダイワでのオヌマン監修ルアーですが、
本人が自分のメーカーで出したワスプスラロームは、
当然コンセプトがかなり似たルアーだと思います。
(自分はまだ使ってないので今後試してみたいと思います)
固定重心でも飛距離が出るように考えられているのが特徴ですね。
ボディ素材を変えてアクションの質を変えたりもしています。
S字形フローティングペンシルではZeeee!(デュオとキャスティングの共同開発ブランド)の、
サーフェイスコントローラー118というルアーがありますが、
これは自分も結構使っていて実際に釣果も出ています。
スイッチヒッター105Fと比べると、レンジがかなり浅いので、使い分けが可能です。
ただ、アップにキャストした場合のウェイト戻りに若干の難がある事と、
飛距離は割と出ますが、スイッチヒッターほどまでは期待できません。
厳寒期などシーバスの意識があまり上を向いていない時期は出番が無くなりますが、
水深50センチ以下のどシャローでも使えるのは強みです。
アップからのデッドスローではアクションがやや出にくく水面を滑るくらいレンジが浅いので、
ある程度の流速がある方が使いやすいと思います。
他にも色々S字系で同じようなサイズ感のルアーはあると思いますが、
今記事を書いててパッと思い浮かんだのはこれくらいです。
スイッチヒッター105Sは出てからもう結構経ちますが、
イマイチ凄いS字系ルアーだとは認識されてない印象があるので、
もし使ったことが無い方は一度使ってみてはいかがでしょう。
バチ抜けやサヨリパターンなんかにはハマらないとは思いますが、
イナッコ、サッパ、コノシロ、落ち鮎、ハゼ、甲殻類などのパターンで、
ある程度の規模の河川なら恐らく全国どこでも通用すると思います。
渋い時にこそ威力を発揮する、最強メソッドのボトムドリフトには欠かせないルアーです。
タグ :ルアー
Posted by 竹 at 00:13│Comments(0)
│タックル
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